Ua値という言葉は徐々に一般的になってきました。Ua値は、外壁、屋根、窓、基礎などからの熱損失を合計し、外皮面積(Thermal envelope)で割った値を示します。この計算されたUa値は、Webソフトに入力して一次エネルギー消費量を計算するために使われます。
しかし、Ua値が小さくなると、無視できない要素も浮かび上がってきます。その一つが熱橋による熱損失です。
熱橋とは、一般部位と異なる断熱構成部位で、一般部位よりも熱損失の大きな部分を指します。例えばバルコニーや庇の突出部、基礎天端付近、胴差し等による断熱欠損部分です。
過去のパッシブハウスの事例を見てみると、外皮からの熱損失の約3%は熱橋からの熱損失であることがわかります。これは、玄関ドアからの熱損失よりも大きな値です。
パッシブハウスの認定では、この熱橋からの熱損失も厳密に計算し、その結果を最終的な評価に使用します。Ua値が0.3を切るような性能を目指している皆さんは、この熱橋からの熱損失についても一度考慮してみてはいかがでしょうか?
今後、この熱橋からの熱損失、一般的に言うところの熱橋解析(ψ値計算)について、詳しく解説していきたいと思います。
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