パッシブハウスの認定基準の一つ、「暖房需要」について説明します。
年間暖房需要とも言われますが、1年間に必要な暖房エネルギーをkWhで示したものです。建物の大きさを考慮して1㎡当たりの値となっています。
kWh(キロワットアワー)とはどんな値なのか?
kWhはエネルギー消費量を表す単位で、k(キロ=1000)とW(ワット=J/s)とh(アワー=1時間=3600秒)を掛け合わせた単位です。
例えば1000Wのマークがついたドライヤーを1時間使うと
1000W→1kW
1時間→1h
1kW × 1h = 1kWh
1kWhのエネルギー消費量となります。
ちなみにJジュールもエネルギーの単位としてよく使われますが、1kWh = 3.6MJ です。
パッシブハウスでは15kWh/㎡a以下が基準です。これは床面積が100㎡(30坪程度)の家の場合、1500kWh(15×100=1500)となります。と言うことは、ドライヤー1500時間分と言うことです。
1日は24時間なので1500h ÷ 24h = 62.5日分です。一年のうち暖房が必要な期間は2ヶ月以上ありますよね。要するにこの基準は暖房器具はドライヤーよりも小さいもので足りるという基準なのです。
暖房コストの面からも考えて見ましょう。
今どきの暖房はエアコンです。例えば6畳用エアコンは2.2kWの能力がありますから当然ドライヤーより能力があるので問題ありません。ポイントはkWから¥にどう換算するかです。(当社の場合2023年8月分は25,777円/891kWhでした。)1kWhあたり約29円です。
1500を掛ければ1500kWh × 29円 =43,500円/年 となりますが、ちょっと待ってください!
エアコンは消費電力の4倍の暖房能力があります。ですから4で割ってください。
暖房需要が1500kWhであれば消費電力はその1/4で375kWhになります。(なんと、当社の半月分の電気代以下)
375kWhに29円を掛けると10,875円となります。
1年間の暖房のための電気料金が約1万円と言うことです。
注意してください!これは一室だけの話では無く、全館暖房を行っての金額です。
暖房需要だけの話にはなりますが、これだけでもその基準の高さがうかがえます。
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